桜送り

小糠雨が止まないので、傘を差して長泉寺の境内へ出かけました。今年は変な年で、去年区の樹木医が手入れした山桜がまず咲き、その後染井吉野と八重桜が同時に咲いて満開になりました。今夜は風雨だそうで、もう見納めでしょう。鵯がつつき落とした八重桜の花を、鳩が集まってまたつついています。20輪ほど拾って帰りました。半分は益子の黒い鉢に入れて仏壇に上げ、残りはスワロフスキーのグラスに詰めて、洗面台に置きました。ピンクの生クリームのようにふんわり盛り上がり、ほのかな香りもします。

この時季、大手のスーパーでは、桜花の塩漬を新旧商品入れ替えで安売りするので、例年それを買ってきて、夏のこまめ水に使うのですが、コロナ騒ぎで出かけられません。御近所や友人、教え子からいろいろ差し入れを頂いたので、まず生姜と人参を調理することにしました。どちらも昔と違って、皮が薄くなったのに吃驚、殆ど剝かなくても食べられそうです。生姜は切り分け、千切りにして冷凍し、少しずつ使います。今夏のこまめ水は、これを使って開発してみようと考えました。

人参は、どちらかというと苦手な野菜です。薄甘くてアクの強い個性をどう消すか。ちょっと考えて、ころころに切り、だし(やや少なめ)と味醂(やや多め)で煮てみました。思いついて、干したクランベリーを多めに投入。出来上がりはー美味でございます!ちょっとずつ、箸休めのように添えると食膳が華やぎます。煮汁を一晩寝かして、柚子の絞り汁を落としたら、濃厚な飲み物になりました。

庭先では思いがけない芽生えが2本。1本は多分、山吹ですが、もう1本は未知の木のようです。暫く育ててみることにしました。今夜は益子の鉢を食卓に降ろして眺めながら、徳島土産に頂いた銘酒で、今年の花を送ります。