冷蔵庫始末

冷蔵庫を買い換えました。友人知人の話では、冷蔵庫は突然冷えなくなる、という壊れ方をするのが常だそうです。電話で症状を聞いた技術員から、買い換えを覚悟するように言われ、即量販店へ出かけ、大きさと納品日とだけで決めました。335lです。忙しいからと買った500lは使いこなせませんでした(ほんとに多忙だと、食材を大量に買い溜めて調理するより、日々食べる分だけ買ってくる方が合理的だった)。

夕方、工業高校卒業らしい技術員が来て、製造終了、ガス漏れを告げ、買い換えを勧めました。今は設計上寿命10年だそうで、設計通り壊れた、と言う。冷やそうとして一生懸命頑張りながら次第に落ちていきます、との説明にも、どこか愛情が籠もっていました。前の機種は18年使ったと言ったら、昔は日本で全部作っていたけど、今は海外で作るから部品が弱いんですよ、と言う。おお、この絶対的祖国信頼感!

技術員が帰ったら、看取られたかのようにどんどん落ちていく。完全に落ちるまでに、なるべく食品を無駄にしないようにしなければなりません。柔らかくなったアイスクリームは、ムースのようでいけるな、と思いましたが、その甘さに仰天しました。冷菓には舌が鈍くなるので甘くしてあるとみえます。3個食べたら悶絶。野菜は常温でも大丈夫と思ったのですが、レタスがみるみる傷み、「エデンの東」を思い出しました。溜めていた保冷剤を活用、結局、冷凍してあった干物だけが救えませんでした。

やっと暖房を入れられる日常が戻ってきました。冬で、しかし未だ正月用品を買い込んでいなかったのが幸いというべきでしょう。ちょうど新しい原稿を書き始めて、一切の俗事を思考から遮蔽したところへ降って湧いた災難でした。もう一つ、健診のために食餌調整し始めた矢先だったのに、せっせと食材を消費したので一からやり直し。