マニュアル勤務

福岡の親戚が亡くなって明日が通夜、との知らせが来ました。慌てて弔電を打とうとしましたが、115は今は24時間営業ではないらしい。翌朝、営業開始時間から電話をかけ続けました。まず「コロナ対策のためオペレーターはマスク着用で対応しております(えっ、見えないけど)。お客様にはご迷惑をおかけ致しますが(何の迷惑?)」云々の自動音声、これだけですでに1分以上。続いて、いま混み合っている、お急ぎなら(急がないのに電報を打つか!)ネット経由でクレジット払いにせよ、という自動音声が繰り返され、ワンセット3分半。2時間近く経ってもつながりません。もしや何か大事故でも起こって、日本中から弔電が殺到してるのだろうか、と思ってしまいました。

今どきの電報は、文案の組み合わせや台紙のデザインなど通話して確かめたいので、すべてネット経由で用が足りる訳ではない。NTTではネット利用を進めるために、コールにすぐには出るな、と指示しているのでは、と疑っています。

近所のクリーニング屋の老夫婦が引退して、チェーン店になりました。小さなほつれや変色も隅々まで「御了解済み」の念を押され、それは仕方がないとしても、気分的には一々ケチをつけられた感じになります。引き取りにも時間がかかり、コロナ対策のため店に入れない客が、狭い歩道に行列を作る。仕上がり品の番号を一々、客に伝票と引き合わせさせるからです。とうとう堪りかねて、私は品物を見れば一目で判る、番号を見ても判らない、引き合わせはあなたの仕事、と説教してしまいました。

熟練しなくても務まるようにマニュアルができ、逆にマニュアルに使われる職業人が増えました。それはそちらの都合。客までもがマニュアルに時間や手間を取られるいわれはない。何のためのマニュアルなのか、相手側からも考えながら勤務して欲しい。