花の便り・その2

辻英子さんから、60年間共に暮らしている君子蘭です、というメールが来ました(写真の容量が大きいので少し削りました)。なるほど大きな、見事な株です。

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辻家の君子蘭

かつて伊豆大島へ観光旅行に行ったら、君子蘭の1年目の苗がお土産に配られました。3年くらいは我が家で育てましたが、一向に大きくならず、鳥取赴任の際に近所の知人に引き取って貰いました。花が咲くまでにはかなりの年月がかかるようです。

辻家にはすでに浜木綿も咲いているそうです。花だけ見ると、幽玄ですね。

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辻家の浜木綿

子供の頃、家族が庭先の花壇に浜木綿の球根を植えました。アマリリスくらいの心算だったのでしょうが、芽が出て、あれよあれよと大きくなり、花が咲く頃には巨大な葉の塊が花壇の中央に鎮座していました。しかも厚ぼったい葉は裂けたり捻れたりして、周囲に他の草花は寄り添えない風景になります。後年、熊野灘を見渡す砂浜に自生しているのを見て一遍に納得、これはやはり海浜植物なのだと思いました。

我が家では、今年は胡蝶蘭が咲いてくれませんでした。昨秋、古い根を切り詰めたのがいけなかったらしい。その代わり、10年近く葉を広げるだけだった紫蘭が花をつけました。早世した弟の家には見事に咲いていたので、羨ましかったのです。水をやりながら、来年からはずっと咲いてね、と頼んでいます。

3月が暖かかったので、菊が伸びすぎました。挿し芽しないといけないでしょう。スパティフォーラムに早々と花が咲き、実生の白山吹もぐんぐん伸びてきました。昨年は両者とも元気がなく、どちらかを抜き捨てようかと考えたのですが、とりあえず鉢を分けておいたら復活したのです。こうして植木たちそれぞれの生命力を見せられると、つい、秋までには、来春には・・・などと我が身の無常迅速を忘れてしまう主がいます。