とか

午後2時半に電話が鳴りました。この時間は、10時半の次に詐欺電や迷惑電話のゴールデンタイム。いつもは用心しているのですが、このところ編集者とのやりとりが切迫しているので、つい受話器を取ってしまいました。

「もしもしイ~」と語尾が上がる。この時点で、しまった、と思ったのですが後の祭。中年女性の声で、「E-損保の(良い損保、だったかもしれません)○×△□(よく聞き取れない。これも詐欺電の特徴)ですが、ご主人様とかいらっしゃいます?」剣もほろろに切りました(迷惑電話には上品に対応してはいけない、つけこまれるから、というマニュアルがある)。一時期はワン切りがよくあり、折り返し電話を誘う詐欺の一手なのだそうですが、我が家の電話機はかかった番号が表示されないので、生憎でした。

個人情報保護がうるさく言われるようになってから、却って個人情報に値打ちがつき、古い名簿などが売り買いされているようです。同窓会名簿を見たらしい不動産屋から、別荘地お勧めの電話がかかった時は、「いくら勧められても無い袖は振れません」と言ったら、受話器を叩きつけて切られました。

書きものをしている時の電話は、対応時間だけでなく思考が途切れてしまって、被害甚大です。掴みかけていた言葉や概念が、取り逃がしたらもう戻ってこないこともある。自分は座ったままで、どれだけ相手に損害を与えたか分かっていないだろうと思うと、よけい腹が立ちます。ぷりぷりしながら机に戻り、ふと思ったのは―「とか」って言われる「ご主人」って、いったい、どんな地位なんだろう?