学校で習った

「学校で習う」という言葉を、1日2回聞いた日がありました。

夕食後、ぼんやり「YOUは何しに日本へ」というBS番組を視ていたら、世界拳玉選手権大会に来日した外国人を取材していたのですが、前年のチャンピオンだったアメリカ人が、大会の始まる前の練習を見ていた地元の幼い姉弟に、やってみる?と拳玉を差し出しました。ちょっと恥じらってから手に取った女の子が、まるでダンスのようにリズミカルに、巧みに玉を操って見せ、チャンピオンもTVクルーも吃驚。さすが廿日市(広島の廿日市は拳玉発祥の地を名乗り、毎年選手権大会を開催している)、と言ったら、女の子は平然と、うん、学校でも習う、と言ったのでした。

かっこいい!総合学習の時間に習うのでしょうか、それとも体育?道を行く子供たちも、必死で練習する選手たちを、尻目に見て通り過ぎます。拳玉はバランス感覚も養えるし、見知らぬ人とでもコミュニケーションのきっかけを作れる。振り返ってみると、私たちが小中の頃は、社会人としての常識を習うのに精一杯でした(日本の主な山、川、半島、県庁所在地などを白地図上で覚えさせられたのは、後年役に立ったが)。

昼時のNHK番組に、「BENTO EXPO」というのがあります(MCの仲川希良の笑顔が素敵なので、ニュースの後、ぼんやり視ます)。タイでは料理を野菜や果物の彫刻で飾るという話が出た時、もう1人のMCブンシリ(タイ人)が、当然僕もできるよ、学校で習うの、と言って、自前のカービングナイフを見せました。日本では最近、ホテルのシェフだけでなく主婦のお稽古事として流行っている技術。これもまた、かっこいい!

国際人として、と構えないまでも、出身地の伝統文化を何気なく身につけさせておく学校教育は、素晴らしいと思いました。何よりも、自己紹介がうまくいく。