遅れた夏

旧盆になっても今年は、東京の人口が減らないようです。例年なら正月と旧盆の数日、都内が空いて、空も青くなり、ああ東京は、これくらいが本来のキャパシティなんだな、と住み心地を満喫するのですが。

尤も今年は梅雨明けが遅く、梅雨が明けたらすぐ旧盆、おまけに理由の分からない連休(山の日とか体育の日とか、東京五輪のための設定だったらしい)があって、コロナのせいも含め暦感覚が滅茶苦茶になりました。連日酷暑ー街が冷える前に翌朝の太陽が昇ってきます。我が家は風通し抜群なのですが、それでも熱気団が室内に居座り、窓から吹き込む風は近所の屋根で温められた熱風です(冷房を入れるより、隣家の屋根を丸ごと冷やしたい)。日に何度もベランダに打ち水をし、印度の素焼の壺に水を張っていますが、まさしく焼け石に水

しかしこの暑さが嬉しい生物もあるようで、梔子の枝の間を丹念に飛び回る足長蜂がいます。青虫を退治してくれているのは、雀ではなく彼なのでしょうか。室内では蠅捕蜘蛛がうろうろ。70年前、農家育ちの祖母は、家の中の蜘蛛は縁起がいいのだ、懐に入れておくと金が貯まると言って、掬い取って懐に入れていましたが、さすがにその真似は出来ないものの、ダニなどを食べてくれるのではないかと優遇しています。

日々草コリウス、菊なども葉の色がよくなり、ぐんぐん小枝を伸ばしてきました。ランタナが活き活きと咲いています。千日紅を手に入れました。コキアの緑によく合います。暑さに弱いロベリアやアリッサムの株が少しずつ枯れるので、背の低い1年草を、と松葉牡丹の苗を買ったのですが、八重咲、いや万重咲というのか、べっとりと咲き、かつてのように日が陰ると忽ち閉じる、という可憐な花ではなくなっていました。