忖度

どうして政府が意固地なまでにGotoキャンペーンにこだわるのか、納得がいかないので、週刊誌を2冊買いました。検査数だけでなく陽性率が上がり、医師会も現場の地方自治体も反対しているのに、何故、この時期こんなにも押し通すのか、毎日接するメディアだけでは分からない、と思ったのです。読んでみて、やっぱりそういうことか、と思ってしまったのが悲しく、情けないー観光利権、仲介団体、五輪レガシー、官僚人事等々の言葉が、朴訥な民をあざ笑うかのように、誌面に踊っています。

この事業は、理屈に合わないことだらけ。実施発表前に予約したのはフライングなのにどうしてキャンセル料を国費で補填するのか、どうして首都圏は一括でないのか、パック旅行以外は割引にならないのは何故か。ほんとうに経済振興のためなら、各自治体に資金を降ろした方がよかったのでは。何よりもその資金を、医療関係者や、いま必要な物資を開発・生産している中小企業へ集中的に注ぎ込むべきではないのか。

感染症予防の基本は隔離と、接触を減らすことです。COVID19の厄介さは、発症2日前から伝染することと、人によって(年齢は統計上の確率の問題に過ぎない)重症化の状態が異なり、抗体のでき方も異なり、しかも抗体の有効期間が未だ判っていないことです。無症状の感染者が大量に、医療体制の整っていない地域へ出かけて行って、燥ぎながら歩き回ったらどうなるか。

不退転の決意を示すのは、コロナ鎮静化対策であって、東京五輪はその結果の後に来ることでしょう。民あっての政治、民あっての国家です。ひょっとして、涼しい顔をしていれば、ウィルスの方で忖度して、自然に、間に合うように収まってくれると思っているのではないでしょうね。