新造の遠洋捕鯨船が華々しく進水したとの報道記事。下関はかつては捕鯨で栄えた街でした。しかし現在、鯨肉の需要は国内でも伸び悩んでいるという。考え込んでしまいました。新造船は大型鯨も扱える最新設備が整い、総工費75億円だそうで、持船会社としては元を取るまでは操業したいでしょうね。でも・・・需要を掘り起こしてまで、鯨を食べなきゃいけないものなのかしら。農水省や外務省のHPを見てみました。

【我が国は、以下の基本認識の下、令和元年(2019年)6月30日をもってIWCを脱退し、同年7月1日から大型鯨類を対象とした捕鯨業を再開しました。( 1 )鯨類資源は重要な食料資源であり、他の生物資源と同様、最良の科学事実に基づいて、持続的に利用されるべきである。( 2 )食習慣・食文化はそれぞれの地域におかれた環境により歴史的に形成されてきたものであり、相互理解の精神が必要である。(水産庁「我が国の捕鯨についての基本的考え方」より)】

一部の、自然保護団体と称する感情的な動きには辟易しましたが、実際に需要が減っているのに遠洋まで出かける必要もないのではないか。確かに万葉集の時代から、弊国では鯨漁が行われ、地域によって独特の技術も伝承されてきたようですが、商業捕鯨はもはや需要の範囲内でいいのでは。

我が家は九州出身なので、松浦漬など食材としての鯨にはなじみがありました(子供には美味しいとは思えなかった)が、何と言っても戦後の食糧不足の代用品、というイメージがつよい。学校給食で鯨の竜田揚げが出れば、最高の御馳走でした。しかし今や牛肉を大豆で置換できる時代。養殖できない肉源を国際的に意地を張って獲り続けなくても。

ちなみに新造船は今回、日本の排他的経済水域内で操業するそうです。