こちらのQRコードから

NHK-TVの番組を視ていて、最近いらっとさせられるのは、屡々司会者が片手を挙げて「詳しくはこちらのQRコードから」と、平然と言う場面です。我が家にはスマホがありません。しかしNHKの受信料は年間前払いで払っています。NHKとの契約は、スマホがあることを前提にしているわけではない。ならスマホのない世帯は割引にするか、詳しい内容も受信機だけで見られるようにしておくのがフェアではないか(実際には見る暇はないだろうけど、当然のように片手を挙げられるとカチンと来る)。生活情報番組などなら、まあいいやと思うのですが、報道や時事解説では許し難い。

私のケータイはすでに修理サービスが打ち切られていて、スマホに乗り換えるかどうか迷ったのですが、遠出をしなくなったので殆ど使う機会がなくなりました。料金はガラケーよりぐんと高くなるため、果たして何が必要か考えてみましたが、せいぜい道案内機能くらいで、エノキさんに訊くとあれは案外使いにくいと言う。ただ公衆電話が少なくなってきた街では、もしもの時(どんな「もしも」があるかはあまり思いつかないのですが)は困るかなあ、と未だに思案中です。

しかし新しい教科書が大量にQRコードを載せていて、デジタル教材へ誘導する傾向が強まっている、という報道を読んで、教育の質が大きく変わりつつあることを認識しました。QRコードから入る副教材は、便利ではあるが教える教師の手作り感はない。或いは部分的に作り変えることが可能なのだろうか?じつは教師にとって、自分の授業の副教材や試験問題を作る過程そのものが、生徒との見えない対話の機会でもあり、スキルを磨くチャンスでもあるのです。早くからプログラミングを学んだ世代なら教師も生徒も、そういう問題点を認知して、乗り越えていけるのかしら。