今年の菊

水戸在住の教え子から、写メールが来ました。

水戸の菊花展

【近所の八幡宮にお参りに行ったら、菊花展をやっていました。七五三の晴れ着姿の親子連れも来ていて、11月であることを実感しております。】

そう、今年は夏から一気に冬になったような気候で、今が11月、菊の季節だということも忘れてしまいそうです。

塩尻の小菊

こちらは長野の友人が撮った1枚。塩尻のカエさんが丹精した菊です。

我が家といえば、この夏は菊の小さな苗がどんどん枯れ、生き残っても葉が泥色になり、汚くてみすぼらしい姿になりました。原因は分からず、いずれ植え替えて思い切って整理しなければと思いながら、藁にもすがる思いで毎朝葉上から霧を吹きました。蕾が次々出てきましたが、なかなか咲きません。ふと気づくと、上枝は緑色を取り戻してきています。やはり東京の夏が(秋も)暑すぎたのでしょうか。ようやく数輪、赤の差した黄色い花弁を覗かせるところまで来ましたが、例年なら文化の日には咲き始めていたのですから、大半の蕾は寒さに負けて開かずに終わってしまうかも知れません。

夏の間は葉を茂らせるばかりだった日々草が、今頃大輪の花を幾つも開いています。観賞用唐辛子も黄色い実を擡げているのですが、この頃になって下枝に白い小さな星のような花を次々咲かせ、小さな青い実をつけ始めました。夏の花でさえも、今年の夏は辛かったようなのです。

日暮れが早くなり、夕方買物に出て隣人たちに会う度に、日が短くなって気が焦りますね~と挨拶を交わします。晩秋の黄昏、爪痕のような三日月を見ると、少女時代は、見えない時間が茫洋と行く先に拡がっていたんだなあ、としみじみ思い出すのです。