小さきものみなうつくし

我が家では梔子が咲き出しました。25年前、同僚から貰った枝を挿し木した八重の梔子です。切り詰めて1.5mくらい、鉢が窮屈なのは分かっていても、これ以上大きくすると私には管理できなくなるので、我慢させています。年々はらはらしながら見守っているのですが、今年も蕾がつき、開き始めました。一番花を剪って仏壇に上げ、実家の木を思い出すと言う肉屋の女将にも持って行き、エノキさんにも分けるくらいの数は咲くようです。人にも喜んで貰え、庭でも室内でも甘い香りに浸れる、至福の季節です。

根元には実生のとちおとめの二番花が実り(一番花は実らなかった)、なんと親指大の実が赤く熟し始めました。今春はコキア、菫、アリッサムのこぼれ種がそこら中に芽を出して、一時は庭一杯になりました。今年花をつけたのはニオイスミレだけでしたが、菫はそれぞれに葉の形が面白く、夏に葉物だけを活ける時にいい。

アリッサムは枯れた花房を地面に置いておくだけで芽が出ます。大島桜の根元にも置いたのですが、何故か芽が出ない。ある日、道路脇で雀がツメクサの種を啄んでいるのを見かけました。ツメクサに実ができるなんて想像できない、小さな雑草です。ふと気づくと、我が家の大島桜の根元でも、雀が何か啄んでいる。芽が出ない訳が分かりました。雀ってこんな食生活をしているんだ、と愛おしくなりました。小さきものはみなうつくし、と言ったのは清少納言でしたね。

菊の枝でみごとに擬態をしている尺取り虫を見つけました。最近、コリウスの葉が何者かに食われる、と憤っていたので、即処刑。梔子につく青虫は雀が退治してくれます。

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川越の柿蘭

ミニバラがうどんこ病で育てられない、と言ったら、川越の友人からは、あれは1年しか保たないように開発された商品なので、素人には無理、と慰められました。