神無月

めまぐるしい10月でした。月の初めにはバスタオルをお腹に乗せて寝ていたのに、2日ごとくらいに季節が進み、タオルケットへ、綿毛布(この語は矛盾そのものなのですが、製品名がそうなっているので)へ・・・綿毛布と毛の毛布を重ねるようになり、そして先週から羽布団を着て寝るようになりました。ベランダでも、猛暑が和らぎ始めてようやく夏の花たちが元気になり、その後、日が短くなるにつれ秋の花に交替する気配が見えるや否や、コリウスが葉を落とし始めました。

はや神無月も末日、ハロウィンです。毎年馬鹿騒ぎの渋谷は、区が本気を出して抑圧に回ったらしい。それを観に行く若者たちもいたようです。子供らが脅迫めいた科白で菓子を強請する風習は、祭としての根拠がはっきりしないそうで、弊国では地蔵盆の風習の方が可愛気があります。せめて今夜は南瓜の甘いサラダでも、と思ったのですが、スーパーではサラダも煮物もスイーツも、南瓜は全て売り切れでした。

天気予報は未だ夏日が来るから夏物を仕舞うな、と言っています。神無月は思いがけず冷たい時雨が通って、外出先で干し物の心配をしたりするのですが、東京では未だそれどころではないらしい。川越の友人から送られてきた秋播きの種子を、とりあえずヨーグルトのカップに播きました。結局、ソバカスソウも切り詰めて株を残し、バジルも枯れず、鉢が空かないからです。

今年もあと2ヶ月。人事異動の挨拶に来る人もあり、事務所移転の話も耳に届きます。5年前、ひっそりと目黒で旗挙げした花鳥社が、神保町に凱旋しました(HPには新住所が載っています)。様子を見てきた、忙しそうだったので長居せずに帰ってきたと、同業他社の編集者からメールが来ました。さていったい、自分はこの1年、何を仕上げることが出来たろう・・・神様たちが出雲から帰って来る日を前に、内心忸怩です。