秋色の木曽路(3)

塩尻のシンさんカエさんのお宅での3日目。愛犬レノン(ダックスフントの6歳)にすっかり懐かれました。dog yearと言って犬の年齢は人間の8倍に当たるのだそうで、昨春会った時から彼には12年経っていることになるわけですが、マスク姿を見ただけでちぎれんばかりに尻尾を振り、腕に抱きついてぐいぐい押す力は、小型犬とは思えません。

ハロウィンのお菓子を貰ったレノン

ドッグフードの食事以外に人間から何か貰うのが好きで、林檎、胡瓜、ブロッコリー、キャベツ、隠元、野菜なら何でもぱくり。私が懐かれたのはねだれば呉れる人、と思われたのでしょうか。食事中の人間をじっと見つめ、食卓の上を見回し、貰えないと悲しそうな鼻声で鳴く・・・分かりやすい食への執着が、人間の心をぎゅっと掴みます。

自家製ジャム

シンさんは定年後、地元の友人と畑作りをしています。いろいろ目新しい作物を勧めてくれる人もあるとかで、根元が色づく紫菜という葉物、電子レンジにそのまま入れられる大きさの南瓜の栽培などを試みているという。ペルーの玉蜀黍を作ったが、黒紫色になるはずの実が何本か白いままで理由が分からない、と見せてくれました。今夏は暑すぎて、鼠大根が太くならないとのこと。地元特産松本一本葱や胡瓜の種子を種苗会社に卸してもいて、胡瓜は取り出した種子を純白になるまで洗って干すのだそうで、コスパ的にはどうなの?と訊いたら笑っていました。

カエさんは庭で穫れた果実でジャムを、バジルでジェノベーゼを作っているそうで、瓶を並べてヨーグルトと一緒に試食しました。市販の物よりやさしい味。粒々の残るスグリが美味しかったし、山葡萄の実は小さいのに濃厚で、惹きつけられました。

塩尻の小菊

定年後、子供たちもほぼ独立し、未だ体力のある期間。野菜作りをするとは予想していなかったそうですが、理想的な老後ですね、と言ったら頷いていました。