彼岸まで

雨の合間を縫って、扇屋へおはぎを買いに行きました。待っているらしい客に順番を譲ったら外国人だったらしく、片言英語で応対した後今度は私がスルーされました。どうやら桜木天神祭礼の手配で、店の主人も大女将も気がそぞろのようです。若女将に「待っている客の顔を見ていなくちゃ」と説教して、店を出ました。扇屋の女将に客扱いを説教するなんて、我ながら苦笑ものです。ここの黒胡麻おはぎは絶品。父は漉し餡は好きではなかったので、潰し餡と黒胡麻とを買って帰りました。

肉屋の前の車1台くらいの空地に、太鼓が据えられ、町内会の人たちが諸係の手配をしています。コロナで自粛していた4年間に、街角の空地が殆ど無くなり、場所探しに苦心したものと見えて天幕が狭い。でも最近店に立つようになった肉屋の婿が、久しぶりでいいですね、と浮き浮きしています。至近距離の太鼓が腹にこたえます。

祝日が日曜に連動して動くので、何の日だったか季節感が遠のいてしまうことが多くなりました。敬老の日なんて忘れていたのですが、民生委員が区の傘寿祝金(樋口一葉1枚です)を届けに来て、初めて先週の連休の意味を知りました。すると今日は彼岸か。ずっと続いていた猛暑日がやっと途切れ、「暑さ寒さも彼岸まで」という、昔の諺を思い出しました。いつもならとっくに仕舞っている寝茣蓙を、今年は未だ仕舞えません。

今朝はベランダの雨漏りに驚き、学部のクラス会幹事から突然かかってきた同級生の動静問い合わせ電話に驚き、そろそろ秋植え球根を植えてやらなくちゃと思いながら伸びすぎたソバカスソウを剪定し・・・夕方、ようやく腰を下ろして仏壇のおはぎを下ろしました。長かった夏もこれで区切りがつくのでしょうか。猛暑を言訳に棚上げしてきた調べ物を何とかしなくちゃ。今日は熱いお茶を淹れてもよかったな、と思いました。