コロナの街・part19

取り寄せたフリージア20本を持って、青山霊園へ出かけました。コロナを用心して往きだけでもタクシーにしようかと、随分迷ったのですが、我が家と青山は皇居を挟んで対角線上にある。かなり長時間乗ることになるので却って危険な気がし、結局いつものように、地下鉄を乗り継いで行くことにしました。

今日あたり卒業式が多いようで、振袖・袴の女子学生をあちこちで見かけました。今年の流行柄は、布団皮のような(銘仙向きの、というべきか)大きな流水と花文らしい。

霊園入り口の花屋で線香を買ったら、値上がりしていてしかも本数が減っている。御時世です。母の実家の墓は古い区画にあるので、木の根や埋もれた石畳で足元が悪く、おまけにマスクで眼鏡が曇って、よたよたしながらたどり着きました。動作が硬くなっているのを痛感しました。樒の古木に花が咲き、松笠がたくさん落ちています。周囲の木が伐り払われて、広い空に赤坂サカスや六本木ヒルズが聳え、何だか落ち着かぬ風景でした。

墓地を縦断して行くと、彼岸なのであちこちに新鮮な花が供えられ、手桶を持って歩く老夫婦の姿も見受けました。桜並木はよくよく目を凝らしてやっと1,2輪開花を発見、という状態。山桜と染井吉野が1本ずつ、満開になっていました。友人の墓の前には河津桜があって、もう散り始めています。手を合わせようとしたら、背後から花吹雪に包まれました。蜂の羽音が聞こえるほど静かな午後でした。

ベンチに座って新聞を読んでいると、カメラを携えた老人に声を掛けられました。昨日は三宅坂の桜を撮ってきたと言う。暫く話をして別れました。帰りに赤門前の扇屋でおはぎを買ったら、今日は東大の卒業式らしく、郷里へ銘菓を発送する青年たちで混み合っていました。近頃の東大生は、おじいちゃん子おばあちゃん子が多いのかもしれません。