桜づくし・信濃便り篇

今年は伝通院の枝垂桜は観に行かれませんでした。枝垂桜には染井吉野よりも前に咲くものと、遅れて咲くものがあるようです。長野の友人からは早咲きの枝垂桜の写真が来ていました。一重・八重、色にも種類があるらしい。

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象山神社の枝垂桜

赤門脇にある八重桜は2日には満開になり、例年よりも多くの花をつけて天蓋のようでしたが、コロナのため門が閉められ、入れません。塀の外から、通りの向かい側から、何度も眺めました。私が在学中からありましたから(当時は2本あった)、半世紀は生きてきた樹です。ふと、切なくなりました。あの樹の傍にも行けないなんて・・・扇屋へ入り、女将と、今年はいつもより沢山咲いてるね、でも色が少し薄いようですよね、と会話をしました。桜饅頭と道明寺を買って帰り、仏壇に上げた後、一気に食べました。塩味が効いていて、美味しい。何だかやけ食いのようでもありました。

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松代城跡の夜桜

昨日、友人からは松代城の夜桜見物に行ってきたとのメールに、幻想的な写真が添付されていました。夜になって、BS-TVで里見浩太朗が案内する京都の夜桜中継を視ながら、これはどうしても日本酒、という気になり、庭先の山椒の芽を摘んで叩き梅を作りました。辰砂の濃い、上神焼(倉吉産の陶器)の盃に盛り、上善如水(越後の酒です)を冷やで呑みながら、平野神社の八重桜を観賞しました。梅干1つで晩酌したのは山田風太郎ですが、なるほど1合は十分呑めます。中継が終わったら、呑み過ごしていました。今右衛門の小さな盃を選んだのに、梅干しの塩が利きすぎていたせいです。