川越便り・栽培指導篇

川越の友人から、この春最後の薔薇です、とのメールが来ました。

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アンネの薔薇

【このバラは、日本ではよく栽培されていますが、ベルギーの育種家が、アンネの父オットー・フランクに送ったものが、オットーから日本に贈られ、その後、日本からドイツに贈られて、次第に世界に広がったという経歴を持ちます。】

我が家の紅薔薇は5月に切り戻した後、小輪ながら色の濃い1輪が咲きました。もう20年近い古株で、鉢が窮屈らしい、と言ったら、友人からは栽培上の注意をびっしり書いたメールが来ました。

【10号鉢(直径30cm)以上になると、植え替えは困難です。そういう場合は株が休眠している時期(普通は1、2月頃)に鉢の縁の方をシャベルで掘り取って、空いた空間に新しい培養土を足してやるだけで大丈夫です。薔薇は休眠期以外に根をいじると弱ってしまいますが、根切りは非常に大切です。冬の休眠期なら、かなり無理をしても大丈夫。

古株になるとシュートが出にくくなります。シュートが出ない場合は、古枝から伸びた新しい枝を大事にします。花が終わったら、枝の剪定。花を咲かせた元気な枝を半分程度切り詰めるのです。新芽が出なかった古枝や、新しい枝でもあまり弱弱しいものは付け根から切り落とします。秋薔薇はこれから元気に伸びだす枝に花を付け、来春の花は、冬に剪定した後に伸びてくる枝に蕾を付けます。

うどん粉病は水をかけて流せばいいのですが、ひどければ微生物を使った有機溶剤で「有機のしずく」というのが非常によく効きます。ハダニは水が苦手なので、水で流すのが正解です。葉の裏側を重点的に霧吹きで吹き付ける、水がこぼれるくらいに。ただし葉が濡れていると黒星病が出やすいので、後で風に当てて乾燥させることが必要。】

彼は赤い薔薇がずっと欲しかったが、病虫害に弱いので今まで我慢していたのだとか。老木でもあるからいたわってやれ、とありました。親切な指導に感謝しましたが、ふと気づくと、これって、まさに老人の会話。