バリアフリー

久々に長距離の旅行をして、空港などで準障碍者の扱いを体験しました。しかし折角の心遣いが噛み合っていないと思うことが幾つもあったので、書いてみます。

まず羽田空港。長い距離を歩かされますが、ところどころ、小さな段差が敷物で覆ってあって、段差を無くした所存でいるらしい。しかしこれは段差よりもっと危険です。踏み出した足が思いがけず低い着地をしなければならず、転倒しやすい。そのような短い斜面は目には見えず、しかも周囲には、巨大なキャリーケース(カルロス・ゴーンが2人も入りそうな)を引いて、回りに注意を払わず歩く人間がうろうろいるし、空港内では周囲の流れとあまりに速度差があると危ないので、そろりそろりとは歩けません。そのような箇所の足元には特に目立つマークを付けて欲しい、ここから斜面、と判るような大きな矢印とか。何度も躓きそうになって、ひやりとしました。

山口宇部空港は人少なだったので、カウンターから声をかけられました。羽田ではリムジンで到着ロビーまで行くことになるが、介助が必要かと訊かれたのです。地上までタラップを降りる(首相や大統領が到着した時のイメージです)ことを考えて、手すりのない階段は見守りが必要かも、と言いました。係員の案内は最後になる、と言われ、ふと、いつも満員のリムジンバス、立っている方が危ないかな、と不安がよぎりました。羽田へ着いても係員は来ない。最後に歩き出したら、通路の途中で大声で私の名を呼びながら走ってくる職員がいる。リムジンには座席が確保してありましたが、ふと見ると、端っこに座りにくそうにしている女性客がいて、こちらは明らかに足腰に障碍があるようでした。つまり、この人を見落とし(自己申告もなかったらしい)、その対応に手間取っていたのです。私は大丈夫だから、と係員に言ってリムジンを降りました。