レガシーにするな

私は経済には全くの素人です。しかし言わずにはおられません。そろそろアベノミクスを真剣に点検、吟味して、歴史的にも正しく評価される方向へ整備していく時期ではないでしょうか。超金融緩和と市場介入という相反する政策を同時に行い、増え続ける赤字国債中央銀行が買い上げ、大幅に増やす防衛予算の財源はまたしても国債に頼ろうとしている。中央銀行総裁は、頼っていた大樹が突然倒れて、引っ込みがつかないまま任期切れ、後任には火中の栗を拾って貰わなければなりません。

年金振込通知書が来て、介護保険料と後期高齢者保険料、それに住民税の特別徴収額を見て、未だにこんなに払っているのか!と思いました。しかも昨年より3%近く高くなっている。その上医療費負担が上がり、今後物価もインフラ料金も上がっていく見通しで、収入を増やすあてのない所帯は、歯止めのないのが怖ろしい。

「新しい資本主義」とは何だったのでしょうか。SDGsをも考えれば、生産・消費・廃棄を右肩上がりに増やす高度成長はもはやNGでしょう。おまけに老後に不安が待っていると分かっていて、現役時代に消費に浮かれる気になれるでしょうか。投資で経済を活性化するとの掛け声が聞かれますが、すべて元本保証だったら投資は成り立たない。自助のための貯蓄をスッてくれ、と言われているように聞こえます。

大手企業の内部留保や大口投資家の税率を見直し、行政の無駄な支出を抑制し、まずはまっとうな財政に向かって踏み出してから、増税だの国債発行髙だのを議論すべきでしょう。JアラートやCOCOAの失敗、コロナ対策費や五輪の不正支出、それらを黙過して紙幣は国が無限に増刷できるという幻想譚をレガシーにしてはなりません。「財政、金融、外交、官僚機構をぼろぼろにした」という指摘は、かなりの程度当たっています。