残高不足

2つの学会費(値上がりした)を払い、細々とした本を買ったら財布が軽くなったので、久々に通帳記入を兼ねて銀行に向かいました。所得税の還付金も入ったはずだし、余裕綽々の心算で引き出しボタンを押し(現役時代なら生活費1週間分の金額です)たら、すぐに通帳が戻ってきて残高は十分なのに、画面に残高不足のメッセージが出てカードも戻ってしまいました。え?何度やっても同じ。狼狽しました。この銀行はしばしばシステム騒動を起こしている。不吉な想像が頭を掠めました。案内係を呼んで操作すると、今度は通帳に残高¥3万と印字されて戻ってきました。衝撃です。案内係の老人は、小馬鹿にしたような口ぶりで離れていきました。

調べてみると、年度替わりの引き落としが多かったのと、インフラ料金が少しずつ値上がりしているのとで、こうなったらしい。年金支給日まであと2日ある。不安でしたが定期預金の満期日は遠い。冷汗をかきつつも、無事に支給日になりました。

老後、年金だけでは暮らせないという話はほんとうです。エノキさんに、年金は給料の何割くらいだと思うか、とテストしたら、ちょっと考えて、8割と答えましたが、ブー!自分の生涯賃金ではなく現役世代の平均給与が基準ですから、大抵の人は今の給料の半分以下、3~4割だと思った方がよい。しかも年金はじりじり下がり、物価や保険料や医療費はどんどん上がる。プーチンのおかげで今年はますます上がるでしょう。

若い頃、初めて住宅ローンを組んで家を買い、最初の引き落とし時にうっかり口座残高を確認せずにいて、銀行から電話がかかってきたことがありました(残高は3桁だった)。先輩から、学者はいざとなったら、それでも地球はうごく、と世に問うだけの金、つまり本が1冊出せる預金を持っていなくてはいけない、と叱られました。