出入国管理法改訂に関する政府の態度は、ひどいものだと言わざるを得ませんでした。移民政策はやらない、と言いながら人手不足解消のために、と急ぐ(矛盾しています)。法案の根拠となるはずのデータは不十分か不正確だし、具体策を訊かれると、なにもかも政令で定める、と言い逃れする。まるで国会審議を莫迦にしている、議院制度を軽視していると言われてもしかたのないものだと思いました。
法案通過後の報道を見ていると、なるほど政令で定めると言っていたのは、それほどまでに従来の外国人政策が皆無だったからだという気がしてきます。年金、保険、家族への対応等々、殆ど方針なしでやってきた、という按配です。それゆえ、整えなければならない制度は山積みですが、第一に喫緊なのは日本語教育でしょう。意思疎通がうまくいかなければ、住みよい環境は作れません。
今まで日本語教育の資格は、民間の検定試験だけでした。大学にも日本語教育のコースはたくさんできましたが、けっきょく就職口があてにできない。ボランティアか、せいぜい非常勤職でしか、資格を活かせる場がありませんでした。日本語学校と称するものも水準はまちまちで、国の支援も殆どない。
家族連れで日本に長く住んで貰って、職業も社会参加もごくふつうに、一緒にやっていける仕組みを、早急に構築して欲しい。税金や保険料を払わせるなら、権利も当然保障されるべきです。私たちはすでに毎日、コンビニや弁当屋やさまざまなカウンターで、海外からやってきた人たちの世話になっているではありませんか。