勉強会×2

午前中は、八重洲の会議室を借りて、早川厚一さん・谷口耕一さん・清水由美子さんの3人に来て頂き、「注釈をやってみてわかったこと」というタイトルで保元・平治物語の座談会をやりました。軍記物語講座第1巻『武者の世が始まる』(2019年刊行予定)の中核となる論考の打ち合わせを兼ねた座談会です。3人ともそれぞれ、保元物語平治物語の注釈を進めている最中で、異口同音に言われたのは、先行研究などから受けた思い込みを捨てて自ら本文と向き合っていると、思いがけないことが見えてくる、ということでした。2時間20分ではとうてい足りない、と思われましたが、注釈は蟻地獄に似ていて、後から後から、気づかずにいたことが見えてくるもの、何時間あってもやっぱり足りないよ、と慰められました。内容は後日、花鳥社のHPで公開されます。

八重洲の地下街には日の丸の小旗を持った人がいて、宮中参賀の帰りのようでした。

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午後からは浦和の会議室で、栃木孝惟さんの旧ゼミの研究会に出ました。『吾妻鏡』と平家物語の関係を追究している研究会で、沖縄の大学からTV電話で参加する人もあって、吃驚しました。1本目の発表は、『吾妻鏡』には偽文書も含まれている、という説について検討するもの。2本目の発表は、平家物語と『吾妻鏡』はそれぞれ別途の意図と方法をもつ物語だという観点に立って、洲崎明神記事・千手前記事・横田河原合戦記事・壇ノ浦奇瑞記事を考察しました。久しぶりで直球の研究発表を聴き、私も元気が出ました。飛び入りを歓迎して下さって、忘年会にお誘い頂き、楽しく呑みました。温かい晩で、駅前にはクリスマスツリーがいくつも、燦然と並んでいました。