薬不足

薬が足りない、という報道がよく理解できずにいたのですが、ここ数年、持薬のように服用しているアレルギー止めを出して貰う際にも従妹からそう言われ、今までよりも軽い作用の錠剤を処方されました(酒を呑み過ぎた時に効かないので、おかげで節酒するようになった)。報道によると、ジェネリックの製造会社が不正を行って業務を停止させられたり、コロナの流行で薬を買い置きする人が増えたりしたからだというのですが、腑に落ちません。そんな理由にしては影響が大きすぎるし、長引きすぎる。つまり対策が遅すぎる(あるいは無策状態なのかも)という気がするからです。

高齢者が薬を多用しすぎる、とあたかも高齢者のせいのように言われますが、それは寧ろ医者のせいです。このブログにも書きましたが、医者が殆ど強制的に処方を出し、かかりつけ医とのつきあい上、断りにくい。その根底には、行政が出している健康診断の標準値が年齢も性別も一律の数値で、僅かでもそれから外れると○○症という診断名が記録されたり、医師の健康指導が行われたりというシステムがあります。

健康保険料がかさむからと、薬局も厚労省もしきりにジェネリック(後発薬)を勧め、殆ど罪悪感を懐かせられそうでしたが、私はずっと、最初の処方を守ってきました。主成分は同一でも添加されている成分が違えば、高齢になって適応力の下がっている身体にどんな影響があるか分からないし、そもそも自ら開発しない製造者の責任感がどこまで信用できるか不安があったからで、自分でも少々神経質かなと思ったりもしたのですが、その不安がじつは当たってしまったのです。

日本の医療制度には、あちこち危ない矛盾がある。そのツケは、結局国民の健康に祟ってくる。そんな気がしてならないのですが、杞憂だとわらっていいでしょうか。