駅地下

用があって、東京駅のみどりの窓口へ出かけました。ようやく季節相応の気候になり、地下鉄の駅まで汗をかかずに歩いたのは、何ヶ月ぶりでしょうか。窓口の行列はまあまあ、と思って並びましたが、アナウンスがしきりに、「並んでもこの窓口ではできないこと」を並べ立てます。自分が該当するかどうか不安でしたが、自販機操作で立ち往生するより窓口で押し問答する方が人間らしい、とそのまま約30分。行列には外国人と老人が多いようでした。乗継割引制度を知らずにまごつきましたが、ともかく用は済みました。

地下道にある紀ノ国屋で、各地の新作名品を物色するのが東京駅でのお楽しみ。しかし何もかも値上がりしていて、お試しで買うには躊躇います。スイーツ類は新作がどんどん出ているようで、心を惹かれましたが、最近はおやつを楽しむ余裕がない(金銭的にも、時間的にも、心理的にも)。鰯の銚子煮、米沢のサラミ、山形遊佐の「そのまんま甘エビ」(大きな干し海老です)、宮城の揚げ蒲鉾を買って帰りました。福島の水産物を、微力ながら応援しようと棚を探し回ったのですが、帆立も牡蛎も加工品は高い。国内で値引き販売をするほど零落してはいないようです。ひとまず安心、でしょうか。

2時間ほどで戻ってくると、さすがに汗をかいていました。しかし風はすっかり秋の風。東京は秋の足が速く、涼しくなり始めるとあっという間に季節が進み、やはり陸奥が近いな、と感じます。このまま豊饒の秋になってくれれば、と願わずにはいられません。雲も秋の雲、珍しく蜻蛉が1匹、空中を滑走しました。

帰宅して「本日の戦利品」を取り出してみたら、仏壇に上げる精進物がない。倹約志向で最小限の買物をすると、つい酒肴ばかりになってしまうらしいのです。ゴメンネ。