豊後便り・樫原湿原篇

別府はすでに初秋になった、真夏日ではない、と友人から写メールが来ました。

樫原湿原

西国では地名の「原」を「ばる」と読むことが多く、鳥取にも福岡にも例があります。

【標高500m程度の低山ですが、樫原湿原ツアーに参加してみました。関東や中部地方の有名な湿原に比べれば規模が小さく、ささやかだけれど、歩行が辛くなってきた年寄りにはちょうど良いくらいの面積、高低差もほとんどないので、珍しい野草を見に行くにはもってこいの所でした。】

沢桔梗

サワギキョウオミナエシなどがたくさん咲いていました。近年、湿原の維持と再生に取り組んでいるそうで、成功するといいなと思いました。

たいして歩いていないのに、翌日は筋肉痛で足が痛くて往生しました。】

そうそう、同い年なんだから、少しは体力低下しなくっちゃ、付き合いにくい。

男郎花

オトコエシは、女郎花(オミナエシ)と同じ仲間なのだそうで、似てはいるが一見、対として思い浮かべるのは難しいかも。日本列島全域に生えるというのですが、あまり見かけたことがないなあ、と更に調べると、道路脇など土が攪乱される所に生えやすい、とある。それならよく線路脇とか荒れた道路に咲いている白い花、あれか、と思い当たりました(あれは芹の仲間の外来植物かなと思っていました)。女郎花は草原や林間に咲くことが多いのでちょっと意外でしたが、男郎花の方が毛羽立っていて強靱そうで、生える土地もそれに相応しい。女郎花の対に藤袴をイメージしてしまうのは、和歌の影響です。

TVニュースに、大山の中腹桝水高原に咲く女郎花や松虫草の映像が出ました。半世紀以上前、もう亡くなった友人と共に『暗夜行路』の場面を思い浮かべながら登ったことを思い出します。阿蘇の外輪山で風に揺れる、丈の高い女郎花もよかったなあ。