阿波国便り・晩秋篇

徳島は晩秋から初冬へ移りつつあるようです。原水民樹さんから写メールが来ました。コロナの感染者数は何故か増えつつあるらしいが、自然は穏やかに見えます。

返り咲きの桜

小春日和の暖かさに誘われてつい咲いてしまう季節外れの花を、返り花とか戻り花というようです。尤も桜にはいろいろな種類があって、この時季に咲く四季桜という種類もあり、地方によっては真冬に咲く冬桜という種類もあるらしい。返り花はふつう、数輪くらいなのですが、これは全木に花がついていますね。でも何故か返り花は、たくさん咲いても淋しい。体力を温存して、来年の春にまた盛大に咲いてね。

葉牡丹畑

切り花用に栽培されているのでしょうか。こんなに茎を長く育てるのだとは知りませんでした。葉が色づくのはこれからなのか、私は芽が出る時から白や紫なのだと思っていたのですが。近年はビルのホールなど大がかりな盛り花が多いので、長い茎のものや、曲がりくねって枝分かれした茎の頂上に小さな葉の塊がつくものなど、葉牡丹にもいろいろな品種が出ているようです。

一時は道路脇、公園などでプランターにぎっしり植え込まれた薔薇の花形の葉牡丹が、都会の冬景色の定番でした。早朝には雀が群がっていて、彼等の朝のサラダはこれか、ヘルシーでいいかもしれない、と思って眺めました。白やクリーム色の葉は人間にも美味しそうに見え、1枚ずつ葉の間に薄切りの豚バラを挟んで、葉牡丹鍋にしたらどうかなと考えたりしたものです。

それ以前は、葉牡丹と言えば高級な寄せ植えにあしらうものでした。正月用に松竹梅や南天福寿草などめでたい植生を植え込んだ鉢です。近年は門松の裾に挿してあるものを見かけます。そうか、これはああして門松に挿すために茎を長くしているのかな。