正月料理

エノキさんに、どんなお正月だった?と訊いたら、食い正月でした、との答え。今年は帰郷せず、友達を招んで鋤焼パーティ、仕事始めには焼肉屋に行ってお喋りと食事を楽しんだそうです。働くにはやっぱり肉だよね、がっつり、と友達と言い合いました、1週間で太っちゃって、と言いながら、でも幸せそうでした。

我が家は、例年作っていた赤ワインの煮豚をもうやめました。代わりに鶉卵を醤油2酒1と八角で煮染めました。以前、生の鶉卵で作ったら殻を剥くのが大変だったので、水煮を30個煮て、3が日で完食。ながら酒のつまみにちょうどいい大きさなのです。

酒肴になる野菜をあれこれ買いこんであったので、朝夕1品ずつ出しました。クレソンはそのまま、芽キャベツやアスパラガスやパプリカはチンして、マヨネーズで食べます。マヨネーズには味噌や醤油、山葵や一味唐辛子を混ぜるなど、その都度目先を変えてみました。ラディシュは薔薇の花形に切って塩で。芹は胡麻油と塩、菜の花はバターと醤油でさっと炒めます。手早く作るのがコツ。春の色香が小鉢に溢れます。

慈姑は「芽が出る」縁起物なのだそうで、芽を残して洗います。スーパーで売っているのはすでに綺麗にしてあるので、底部の固い所を削り、大きい物は切り目を入れて、そのまま焼きます。独りですぐ食べるのなら電子レンジでいいのですが、客に出すには冷えても固くならないよう、オーブンで。桜塩か藻塩を振って出します。芽の部分をつまんで囓ると、ほくほくしてかすかに甘みがある、正月らしい1品。

3日目。牛肉にめんみ1酒1醤油2、それに実山椒をたっぷり入れて煮たら、最高の酒肴(恐らく白飯にも最適)ができました。亡父は福岡出身なので何にでも醤油をかけたがり、よく喧嘩したのですが、これを作って食べさせたかったとしみじみ思いました。