山城便り・木津篇

京都郊外在住の錦織さんから、桜は散り始めた、と写メールが来ました。

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北山十八間戸

【般若寺と北山十八間戸に行ってきました。奈良坂(般若寺坂)を一度歩いて越えてみたいと思っていたので、JRの木津駅で降りて、歩いて奈良に入りました。車では何度か通ったことがあり、その時は坂か?という感じでしたが、歩いてみると、確かに坂でした。木津との標高差は80mほどありますが、長い坂道なので、車だと坂には感じられなかったのだと思います。般若寺は参拝客は少なく、ゆっくり見られました。
北山十八間戸は、鎌倉時代に建てられた救癩施設を、江戸時代に再建したものということで、私はごく最近まで知りませんでしたが、これはぜひ行ってみなければ、と思いました。周りに柵があって、敷地には立ち入れませんでしたが、建物の概況は分かりました。そこの桜が散り始めていて、きれいでした。】

北山十八間戸を開設したのは光明皇后と、西大寺の忍性上人と両説あり、どちらもハンセン病患者のケアに尽くした人ですが、決め手はないようです。16世紀に火災に遭い、寛文年間に再建され、明治初期まで使用されていたとのこと。さきの大戦後の一時期、被災者用住宅になったこともあるそうです。東西38m、奥行3.8m、18戸に仕切られ、東端に仏間があるとのこと。

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北山十八間戸の桜

【奈良の町中は、観光客はまだ少なめですが、一時期休業していた鹿せんべい屋さんは店を出していて、近くに鹿が沢山いました。歩ける今のうちに行ってみようと、思い立って出かけて正解でした。論文を読んでいるより、確かに楽しいです。(錦織勤)】

そりゃあそうだわー(名古屋弁です)。私は木津では重衡の道行をたどったのですが、錦織さんは最近身分制を研究しているので、こちらに関心があったようです。