桜づくし・川越便り篇

桜前線は東京から離れつつありますが、未だ種類によっては八重桜や枝垂桜が楽しめるようです。川越の友人が送りつけてきた桜アルバムから抽出してみました。

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大山崎山荘美術館からの遠景

大山崎山荘は、山崎の駅から天王山の坂道を登って15分か20分ぐらいでしょうか。関西の実業家加賀正太郎が建てた英国風の別荘です。加賀はこの地で趣味の蘭栽培に熱中し、『蘭花譜』という豪華な植物図譜を出版しました。蘭愛好家垂涎の的の図譜らしいです。加賀夫妻死去後は転売を繰り返され、荒廃したので、地元の有志が京都府大山崎町の行政を巻き込んで、保存運動を展開しました。アサヒビールが買い取って、山荘の復旧工事をし、安藤忠雄設計おなじみの打ちっぱなしコンクリートによる建物「地中の宝箱」、「夢の宝箱」を付け加えて、美術館として開館しました。2階の喫茶室のテラスからの眺めは絶景です。桂川宇治川・木津川の合流点を見下ろし、対岸に男山、背後に奈良の山並みが霞んで見えます。木津川と宇治川を分ける堤防は「世割堤」と呼ばれ、春の京都を代表する名所として有名な桜並木が一望できます。】

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秩父荒川の清雲寺

荒川村とは東京の荒川の源流域にある村です。数年前、付近に埼玉県最大のダム(浦山ダム)ができました。この寺は岩松山清雲寺という禅寺で、寺の庭のほぼ中央に、応永27年(1420)開山楳峯香禅師の手植えと伝承される江戸彼岸桜の巨木があります。樹齢600年、樹高15mの枝垂桜です。県指定の天然記念物になっています。埼玉県の桜の樹としては一番有名かもしれません。

境内にはおよそ30本の桜があり、多くは秩父紅枝垂れという、やや色の濃い桜です。エドヒガンは淡いピンクなので、色の異なる桜が重なる風景はたいへん美しい。秩父鉄道武州中川駅から歩いて15分程度の、のどかな田園の中にあります。】