温故知新

新年に得られた古典関係の話題を2,3御披露します。 薦田治子さんの年賀状に、平家語り研究会のHPで、現在譜本を通して平家を語れる3人の伝承者の演奏を公開したとあったので、さっそく視てみました。授業などで平家語りとはどんなものか、見せるには便利な視聴覚教材だと思います。「木曽最期」が入っています。heike-katari.com

今年の大河ドラマ監修者坂井孝一さんや、「承久記絵巻」の再発見者長村祥知さんが出演するというので、昨夜のNHKーBSPで「鎌倉殿サミット」なる番組を視てみました。印象に残った点は①『吾妻鏡』はやはりくせ者だなあ、ということ。次に②日本史研究のテーマにも時代の流行が影響していて、「承久記絵巻」(絵巻としての成立は近世初期でしょう)は好機を得たこと ③パネラーたちはしきりに現代の視角を持ち込むなと言いながら、ご当人の偏り(鎌倉はこわいなあ、と京都弁で言う人やジェンダー論を持ち出す人はもとより、天皇制への評価などは個人差が明白)もまた区々。そして④歴史学者って、結構お洒落なんだな(司会の爆笑問題も顔負け)等々でした。

米子城から見る大山が素晴らしい、という番組を元日に視たので、日本史の錦織さんに城跡の保存状況を問い合わせたところ、上の方の石垣は綺麗に残っているとのこと。今は娘夫婦のいる京都で暮らす錦織さんは、いかにも京都らしい正月だったようです。

【伏見の町中の薬局で「陀羅尼助丸」という、有名な民間薬を買ってきて飲み、論文書きのストレスからくる不調はだいぶ元に戻りました。薬局の人は、この辺の人は胃腸の不調には陀羅尼助丸です、と言っていました。

元日に、石清水八幡宮に出かけましたが、車では神社に近寄れないことになっていて、そのまま帰りました。後で娘婿に聞いたら、正月は京阪電車です、だそうで、近くの神社に初詣を済ませました。(錦織勤)】 何事にも先達はあらまほしき事なり。