近所に白山吹の繁みがあって、黒くつやつやとした実がたくさん実ります。そのままでは舗道に落ちるだけなので、こっそり採種して我が家にも、あちこちの放置プランターにも播いていましたが、芽はすぐ出るものの何故か育ちません。諦めかけていたら、去年、スパティフォラムの鉢からひょっこり、それらしき芽が出ました。この鉢に播いた覚えはないが、と思いながら深鉢に移植すると、ぐんぐん伸びる。これなら花を見られそうだと日向に置いたら、葉が日焼けして斑入りのようになり、半日陰に移しました。

その後も枝がずんずん伸びる。葉も大きすぎるようだが、樹木は環境に慣れた1年目は巨大な葉を茂らせることがある(大島桜は我が家に落ち着いた年、紫陽花のような葉をつけた)ので、楽観していたのですが、どうも幹が山吹とは違います。高さ40cm、枝は半径50cm以上に広がり、やや枝垂れる。ウェブで検索しました。

結果は―欅、それも枝垂れ欅という種類らしい。呆然としました。巨木になります。それだけが取り柄みたいな(紅葉しますが)木です。せめて椋か榎なら実が楽しめるけど、と調べましたが、やっぱり欅。そう言えば近くに30mにもなる欅が1本ある。我が家では盆栽にするしかないが、もう手遅れかもしれず、私には盆栽の知識は全くありません。

かつて勤めた宇都宮大学には欅の大木が多く、実生の芽が芝生の縁に沿ってスプラウトのように生えました。どうなるのかと見ていたら、職員が小さな平鉢にびっしり植え込んでいました。雑木林のような盆栽に仕立てるのでしょう(宇大には農学部があった)。写真で見たことがありますが、風情のあるものです。しかしウェブで見ると、欅の盆栽仕立ては1年中あれこれと手がかかるらしい。とりあえず、長すぎる枝を剪り、洗面所に赫いコリウスと一緒に活けました。勢いがあって美しい。さて来年からどうするか。