花の便り

辻英子さんから、伊香保の別邸の菩提樹の根元に咲いた花です、とメール添付で写真が送られてきました。

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Scilla sibirica

ウィーン産だとのことで、さすが国際人の辻家です。一見して、小さいヒヤシンスかと思いましたが、よく見ると違うらしい。シラー・シベリカは、弊国でいえばツルボの仲間。早春に咲く球根で、庭石の根元などに植え込むのによさそうです。

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Schneeglockchen

こちらは、スノードロップという名で国内でもよく見かける花でしょうか。春先らしい可憐な趣です。

今年はあちこちから、花の便りを沢山頂きました。美濃国便りの中西達治さんからも、水仙、椿、そして桜と、上代から近代までの古典作品や、高木市之助や柳田国男の文章を引用して綺麗な写真を添えた「巣ごもり通信」が届いていたのですが、本ブログで紹介する前に季節が移ってしまいました。桜の便りには、「つれづれなるままに庭先の花の移ろいを届けてきたが、1年経ったのでひとまず結びとする」とありました。残念なので、ブログ開設をお勧めしておこうと思います。

東京は早足で春に突入、我が家では羊歯の葉も、石榴の若葉も開き、素馨花が香りを立て始めました。この時期には何を摘んできても、活け花になります。我が家の洗面台には今、はびこりすぎた淡紫のビオラアリッサムの小枝を、パテの小瓶に盛り合わせてあります。小さな花を活けるには、以前来ていたヘルパーさんが伊香保温泉のお土産に買ってきてくれた陶器製の花留め(剣山代わりに花器に沈め、孔に花を挿す)を、大変重宝しています。来週あたりは、勝手に生えてきた母子草(芽のうちはアリッサムにそっくりなので、勘違いして鉢に移植した)が黄金色の花を開くでしょうから、ウィスキーのミニボトルに挿してみよう、と狙っています。