第63巻第14号

1日に「週刊文春」4月8日号を買いました。発売日の午後でしたが、残りは2冊。エグい内容がウリのオジサン向け週刊誌とは思えない、ライトブルー地に春色のチューリップの花束、という表紙です。友人も「ワクチン敗戦」記事を読むために買ったという。私は別の記事が目的でしたが、「ワクチン敗戦」も「五輪開会式口利きリスト」も早速読みました。どちらも、やっぱり!という感じで、べつに意外感はありませんでした。

ワクチン輸入を予約した際に、日本政府は期限と数量とを併せた契約をしなかったこと、注射する人手の確保が問題なこと、3月30日現在医療従事者の17.6%しか接種できておらず、完了するのは6月だろうということ。五輪開会式には赤いバイクが会場を駆け抜け、笑顔のいい、極彩色のあの女性タレントがready?と声を掛け、大相撲横綱や新成田屋や江戸火消しのアトラクションが続くことー意外だったのは翌日です。

東京五輪組織委が、本誌の販売中止と回収を要求したとのニュース。聖火リレーは大音響街宣車の先導で、100m程度をとろとろ「走る真似」をする、というイベントだったとの投稿。五輪開会式の内容は機密事項だって?会議の配付資料に通し番号を打ち、「部外秘」の印を捺しましたか?私たちはべつにマル秘でなくても構わない、それよりも舞台裏で不祥事が繰り返されていないかどうかを知る方が大事。もう買っちゃったよ、読んじゃったよ。今さら販売中止・回収を要求するのは懲罰もしくは恫喝の意味しかない。血税を大量に、しかも際限なく注ぎ込む行事の公正さと透明性を要求する権利は、我々にある。

小学生の時、神奈川国体の大会旗リレーを出迎えに連れて行かれました。中学の時、アジア大会の開催に湧き、記録映画を観に行きました。戦後の日本がやっと起ち上がってきた、という実感があり、その頂点が東京五輪でした。今現在の日本は?はき違えるな。