武士のものがたり展

午前中、花を持って青山霊園へ出かけました。通りの店舗も、霊園の中も毎年変わります。新しい店ができ、集合墓ができ、木々が伐られてあかるくなっていました。通路にある古木の桜が土中の根からも花芽を出し、まるで地面からいきなり桜の花が咲いているような、不思議な光景でした。入り口の花屋で線香を買ったら、一昨年までは¥100、去年が¥120,今年は¥160!まず母方の祖父母の墓にお参りしたのですが、近くの有名作家の墓見物の人が絶えず、みんなインスタ用の写真を撮るので、落ち着いて手も合わせられません。

通りを南へ突き抜けて、旧友の墓へ。染井吉野は7分咲きというところでしょうか。散り始めた河津桜を撮りまくる人たちや、ジョギング、サイクリング、犬の散歩etc.の人たちが一休みする広場の傍です。二つの墓ともお彼岸の供花が残っていて、最近、家族がお参りに来たことが判りました。

霊園を出て、國學院大学博物館へ寄り、特別列品「武士を描くものがたり」を観ました。小規模ですが、充実しています。お奨めです。初期軍記、保元平治物語、屋代本平家物語、関連絵巻などが出ています。展示の仕方にも工夫がされていました。惜しむらくは暗すぎること。資料保護のためとはいえ、立体物と文字資料・絵巻とでは、必要な明るさが違うのではないでしょうか。

軍記物語講座第1巻(花鳥社 2019末刊行予定)には、この展示の監修をした野中哲照さんが、初期軍記について書く予定です。展示は4月21日まで、入場無料。

その後図書館へ入って、中世日本史の本をあれこれ拾い読みしました。窓外には桜が咲き、静まりかえった閲覧室で、求めていた本が片端から読める―至福の午後でした。