素人の広報

自粛を要請→効き目がない→規制強化→思った通りの効果が出ない→罰則のある法規制が必要、という流れが起こりそうで、コロナより怖い気がします。県外から来るサーファーや、近郊へ観光に出かける人々に非難が集まっていますが、(政府を筆頭に)総体的な説明不足、説得下手、そのことへの無自覚ぶりに焦燥を禁じ得ません。若者の多くは、自分たちが自己中や反抗的だとはまったく思っていないと思います。(公共乗り物ではなく)車で行くんだから、行った先は三密じゃないんだから、空気のいい所は健康にもいいし、という論法ではないでしょうか。

十数年前、学生気質が変わって、叱ってばかりいなきゃならないとこぼしたら、年長の同僚から「何もかも言ってやらないと駄目です。子供に言うように、一から言えば聞きます」と言われました。その通りでした。悪気はない。言われないと分からないだけです。遅刻するな、何故遅刻がいけないか、遅刻したらどういう態度で教室へ入るのか、4月に諄々と(あるいは一発気合いを入れて)言っておくと、学級崩壊は避けられます。

政府の広報は、いつまで、どういう状態を目指して、何を要求しているのか、説明が出来ていない。我慢だの自粛だの、瀬戸際だの、言葉が抽象的で、要求する理由と目標が曖昧です。おまけに当初、若者には危険がない病気のようなイメージを広めてしまった。8割おじさんの理想は、あの雪の日の地下鉄ホームの空き具合だというのですが、社会活動を続けながら、そんなことが可能でしょうか。

人と人との接触を避けるしかいま打つ手がないんだ、この鬱陶しい事態を早く終わらせるには、いつもと同じ生活は誰もができない、初期に検査数を絞ったため実際の病原体保有者数は把握できていないので、貴方も保有者かもしれない、だから他人に伝染させる機会を作らないでくれ、めいめい自分の体を張ってウィルスを飼い慣らしてくれ、関係者もがんばっているから・・・あくまで素人の、率直な広報です。