軍記・語り物研究会への提言

軍記物談話会30年+軍記・語り物研究会が来年で30年。運営に関する総会アンケートは昨日締め切られました。私が出した意見書を、字数の都合で抜粋して掲載します。

一 若手の研究成果発表と率直な議論のための場を確保するという、会の発足当初の目的を保障する制度を維持しておくことが重要である。

二 しかし、せっかく五十年にも亘る世代を縦断する会員を抱えているのだから、会員自身の研究活動を互いにもっと知りたい。若手に限らず、また地方在住の会員にも参加、発言して欲しい。 

五 現在の研究状況では、軍記物語というジャンルで括って、二〇〇人規模の活動を委員が牽引していくのは無理があると思う。個々人でいい研究を出し、その成果が共鳴する場となることが理想だから、ボトムアップ方式に切り替える(少なくとも採り入れる)必要がある。よって企画例会は当分やめるか減らす。ときには会員が主宰している何らかのプロジェクトのメンバーに、例会を委任するのも一案。

六 機関誌の編集について、会で発表した原稿は原則として掲載し、掲載不可の場合は、何故不可なのかを具体的に記述した文書を投稿者宛に出す。

八 委員の年齢制限を外して学会のような形態にするのであれば、会計監査は必須。今のままでは公明性を保障し、事故を未発に防ぐための制約が不十分である。

一〇 どうしても委員の負担が大きすぎるのなら、無理に会を存続させなくてもいいのではないか。解散も選択肢の一つであり、結成六十周年は好適な節目である。運営委員会に世代縦断の委員を数名加えて、解散準備委員会を設け、機関誌五八号発行を以て閉じ、予算残額でできる限り、記録を電子化すればよい。