ホタルブクロ

川越の友人から、ホタルブクロの写真が送られてきました。メールには[私の庭作りは、狭い庭をなるべく自然に近い状態にしたいと思っています。あまり日当たりがよくないので、半日影で適応できる山野草が中心になりました。女房が茶道をやっているので、茶花として使えるものが増えました。茶花は元々路傍に自生していた植物なので、育ち易いです。]とあって、つまり愛妻家の庭造りなのでした。

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庭植えのホタルブクロ

祖母の1人(私には父方母方合計4人の祖母がいました)は、農村で育った人で、山越えで小学校に通い、帰り道には山や畑で荷物を放り出して遊び、忘れて帰っても翌日同じ所にあった、と言っていました。だから草遊びが得意で、鬼灯の作り方も教えてくれましたし、百合の花弁で風船を作ったり、おやつ代わりの桑の実で口元を真っ黒にしたと話してもくれました。夕方には蛍を捕まえてホタルブクロの花に入れ、持ち帰ったそうです。

40年前に南町田に勤めていた頃、辺りは人家のない林と草原で(よく痴漢が出た)、叢の中にひっそりと、白いホタルブクロが咲いていたことを思い出します。オカトラノオナンバンギセルも自生し、コジュケイが鳴いたりもしました。私は白い方が好きですが(紫の斑点が濃いと茹蛸を連想する)、栽培されているのは紫の方が多いようです。園芸用には釣鐘草(カンパニュラ)という種類もありますが、近年は品種改良が度を過ぎて、暑苦しいほど花が多くつき、可憐さが失われました。

友人のメールには[長雨で庭の手入れが出来ず、草むしりをしたいのですが、今度は暑すぎて熱中症にやられそう。早朝のまだ日が照らないうちと、夕方日没前後に庭へ出るのですが、それだけで草臥れて、一日中仕事になりません。]とありましたが、ホタルブクロは、禾本科の夏草の中に埋もれて咲くのが風情があると思いますよ。