数値目標

数字をつけて言われると真実味が増す、殊に端数まで出されると、話そのままを信じてしまう、というのは普遍的な心理らしく、すでに西鶴の小説の中にもそういう話があります。かつて池田勇人首相は国会答弁で、端数まで言ってのけることで有名でした。

7割では殆ど効果が無いが、8割なら1ヶ月で事態は改善する、という数字。どうにも理解ができませんでした。何を測って7割とか8割とか言うのかーコロナ感染のスピードを落とす方策として、人と人との接触を減らす数値目標だと知って、そりゃあ無理だろう、とまず思ってしまいました。すべての社会的活動を止めるならともかく、人間同士の接触を日々8割減らすなんて、ほんとにできると思いますか?停められない職種ほど、多数の人と触れ合う局面が多いものです。交通、販売、医療や介護・・・教育はとりあえず停止させられましたが、1日でも閉まると困る窓口は何と何か、数えてみてください。

自分の行動指針を立てるために、毎日発表される数字を見ながら、不審なことが幾つもあります。例えば、コロナ感染者の数と退院者数とを比べると、未だに退院者数が少なすぎる気がするのですがー退院者は追跡していないのか、入院がそんなに長引いているのか。県別・国別の感染者数は、それぞれの人口比で見たらどうなのでしょう。

数字ではありませんが気になる情報は、海外で猫科の動物の感染例が複数ある、ということです。もともと野生動物から発見されたウィルスですから、ペットに伝染しても不思議ではありません。古典の時代と違って現代の日本では、猫はつながずに飼われ、戸外を自由に歩き回ります。さりとて、すべての猫を隔離するわけにはいきません。

やってみないと分からない、ということだらけの規制です。自分が取締官になるのはよしましょう。