老友

『明日へ翔ぶ 5』(風間書房)や『武者の世が始まる』(花鳥社)に書いた人たちの指導教授から、教え子がそれぞれの自分の道をまっすぐに進んでいることが判って嬉しい、見守ってきた甲斐があった、とのお便りを頂いています。これが、我々の職業の老後の楽しみでしょうね。

その中の1人、山野草が趣味の旧友からは、メールの端書に「我が家の庭は豊後梅と万作・山茱萸が満開だが、草の花はスノードロップクリスマスローズが咲いているだけで寂しい」と書いてありました。渋い花々を植え込んだ広い庭が想像されて、これも一種の自慢だよなあ、と思いながら、花屋で「ひむれ」という菫を衝動買いしたことを書いて返信しました。ぐい呑みくらいの小さな鉢に植えられていて、品種改良した人は、郷里の神社の火祭りをイメージして命名したそうです。菫は近年、路傍で見かけることがよくあり(園芸用の苗から種がこぼれて、野生化した?)、我が家でも3種類以上、種取りをして育てているのですが、花が咲かずに繁茂し、翌年は消えてしまうというケースが多い。

すると旧友から、菫の育て方が返信されてきました。[スミレは普通、とても丈夫です。鉢植えだと根が詰まるかもしれません。一回り大きい、深めの鉢に植え変えてやってください。山野草用土に、ちぎった水苔を3割くらい混ぜてやるとベストかな。でもあまり気にしなくても大丈夫。水が好きです。直射日光は苦手です。夏以後は乾かないようにしつつ過湿にならないようにします。文字にするととても面倒に思いますが、冬に水切れにならないようにさえすれば、来年も咲いてくれるはずです。]うーむ、山野草用土と水苔なんて、どこで買えばいいんだ。

すっかり老人らしくなった、休日の往復メールでした。