明日へ翔ぶ・読後感5の1

『明日へ翔ぶ 5』(風間書房)をお贈りした方々から、読後感がぽつぽつ届いています。鳥取大学名誉教授で中世日本史が専門の錦織勤さんは、笠見智慧さんが奨学金給付終了時(平成30年度)に提出した報告書「土器と墳丘墓からみる弥生時代後期の山陰地方の社会」を読んだ感想を。[笠見さんの、四隅突出型墳丘墓に関する研究は、要旨だけですが、興味深い内容でした。昔、日本海側の交通の問題を考えたときに、山陰と北陸との繋がりを示す関係論文を少し読んだことがあります。記憶はすでに曖昧ですが、そのころは、この分野は地域ごとの個別的研究の段階に止まっていて、地域を越えた、全体像がわかる研究があれば、と思ったことがあります。笠見さんの研究は、そうした要望にこたえうる研究なのではないか、と思われます。是非、論文として公表して欲しいですね。公刊されたら読んでみたいです。(錦織勤)]

笠見さんがこのコメントを読んでくれるといいな、と思います。報告書には郷里で一般職公務員になるが、考古学とはずっと付き合っていきたい、埋蔵文化財保護にも関わりたい、と書いているので、励みになりますように。

口絵には、金藏の描いたポルトガルのスケッチも入っています。旧制中学以来の友人檀一雄を訪ねて、ポルトガルへ行ったらしい。中世欧州の文学が専門の多ヶ谷有子さんからは、[口絵はポルトガルの雰囲気をよく伝えているなと思いました。ポルトガルは良いところです。人の気質が穏やかで日本に親近感を持つ人が多く、長閑で。日曜日は博物館・美術館が無料で、16世紀以来の日本から渡ったものもたくさん見ました。大航海時代の船の展示は圧巻でした。鰯を良く食する国民で鰯祭りもあり、目抜き通りには鰯の横断幕がありました。ワインセラー巡りもしましたし、カステラの元になったお菓子も味わいました。]とのメール。何だか行ってみたくなりました。