謝りながら園芸

待ちわびたムスカリの蕾が出ました。1晩で1cmは伸びます。日当たりのいい箇所から明瞭に先に出るので、鉢の向きを換えて公平になるようにしてやりました。店頭に出ている鉢植えは、葉が短く花茎がよく見えるように育っているのですが、我が家では葉がぞろぞろと伸び、蓬髪を掻き分けて虱を探すような風情。園芸好きの友人に訊いたら、俺は切るよ、と言うのですが、それでは可哀想、どうしたら商品のように仕立てられるのか知りたいものです。植え付けの時期でしょうか。

昨年の塩害で傷んだ素馨花も、少ないながら蕾を見せ、室内では胡蝶蘭の蕾が日に日に膨らんでいます。昨年貰った山椒の幼木は、落葉して竹串のようになっていましたが、緑色の突起物が僅かに見え始めたので、一安心しました。

いま待っているのは紫蘭の芽。昨年はうっかり棒を突き立ててしまい、新芽がぼろぼろになって出てきました。近所で捨ててあったのを拾ってきて植えたのですが、3年経っても花が咲かず、もしや昨年は咲く所存だったのかも、と自責の念に駆られています。

椿の根元には、ヒヤシンスの芽が1本だけ出てきました。18年前、父が瀕死の床にあった春、買っては来たが見る余裕もないのに咲いていた紫の花です。その後大きな鉢に移し、毎年3本花を咲かせていたのですが、これも近所で拾ってきて埋め込んだ椿の種が6本も発芽し、今や鉢は占領されて、ヒヤシンスの球根を掘り出すことも出来なくなりました。それでも数年は貧弱な花をつけていましたが、もはや芽を出すだけで精一杯、という状態。ごめんね、と謝りながら水をやっています。

我が家で今怖いのは、パンジーの苗についていたウィルス。葉が白黴に侵され、薬品は強すぎるようで、陽光に当ててやる以外なすすべもなく、見守っています。