緑の親指

梅雨空を思わせるような天候です。梔子の蕾が膨らんで来ました。年々樹が古くなって鉢が小さすぎるのは分かっているのですが、これ以上大きな鉢にすると、私の手で動かせなくなるので我慢させています。それゆえ、劣悪な環境下で蕾をつけてくれるのは嬉しい。石榴も同様で、春に出た蕾が落ちてしまい、新たに2個の蕾を見つけた時は思わず、ありがとうと言いたくなりました。

ロベリアの「毛づくろい」(花屋の大将の言。花殻を摘んでやること)や美女桜の切り戻しに時間がかかりました。どちらも日に当ててやらないと駄目になるようで、おとなしそうな草形だからと放っておいていいわけではないらしい。前者はミゾカクシ、後者はクマツヅラの仲間だと知って、日照を好む理由に納得しました。

梔子は、20年ほど前、頂いた切り花を挿し木したら全部根付き、もう私の背丈をこえています。石榴は種1粒から育てました。散歩しながら、南天の実、鬼百合のむかご、サルビアや菫の種子、ムスカリの球根を空地に投げ込み、数年経って花が咲いているのを見るのが人知れぬ楽しみです。

植木の管理が上手な人を、英語では green thumb と言うのだそうです。しかしこのところ、私も腕が落ちました。去年我が家で挿し木した山椒も、今年挿した薔薇も根付きませんでした。菊の挿し芽だけは殆ど百発百中成功し、どんどん増えて、あちこちに貰ってもらうのに苦労しています。

去年埋めた梅の実は未だ芽を出しません。今年埋めた山桜の実はどうなるかしら。こんなことをしているのも、来年があると思うからで、栽培は未来を運営することだと言ってもいいのかもしれません。