笹の雪

友人の三回忌が近いので、誘い合わせて護国寺へお墓参りに出かけました。同窓の5人、年齢幅20歳。境内では、いろいろな種類の枝垂桜や八重桜が見事でした。

お参りした後、夕食までには時間があるので、バスで不忍池まで行き、池端をぶらぶらしました。大島桜や八重桜がとりどりに咲き誇り、樹下では若い人たちの宴会が始まっています。池の向こうに落ちていく太陽の赤い反照の中、黙然と佇む鷺が1羽―私たちは、近くにいるのに不忍池に来るのは何十年ぶり、という人ばかりで、こんなに桜が楽しめる場所になっているとは知りませんでした。院生時代、研究室を抜け出してここまで歩き、蓮を押し分けてボートを漕いだこともありましたが・・・。

鶯谷の笹の雪を予約してあったので、豆腐料理と焼鳥を肴に(けっきょく、冷奴が一番美味しかった)、日本酒あれこれをわいわい言いながら選び、いろんなお喋りをしました。京都の別荘を自慢する人もあり、老人になる過程の滑稽譚を話す人もあり、若い頃の酒の失敗談、大先輩たちの噂話、海外からみた日本文学のこと、蔵書処分のノウハウ、認知症検査やサポーター講座の体験、故人の思い出・・・2時間があっという間でした。これで今年の桜は終わり。また菊か紅葉の季節にでも、と言って、三々五々帰途につきました。