軍記・語り物研究会大会

渋谷の國學院大學で行われた軍記・語り物研究会大会の2日目に出ました。会場が大きかったので、出席数はすこし寂しい感じでしたが、それぞれに真剣な研究発表が5本行われました。

この頃は近世の文献研究が多くなり、いわゆる中世軍記物語の主要作品に文学としてガチでぶつかる研究が稀少になったのは、ちょっと残念な気もします。それぞれ目指す方向へ伸びて行って、それから何が見えてくるか、見守りたいと思います。昨日のシンポジウムでも屏風絵の話が新鮮で有意義だったそうですが、今日も伊藤悦子さんの発表「源平合戦図屏風」諸本の改変方法と関連資料ー『平治物語絵巻』や「平家物語扇面絵」などー」を興味深く聴きました。多分、この分野の研究の皮切りになると思うので、はらはら、わくわくの二乗とでも言いたい気持ちです。近年、画像研究が比較的容易にはなったものの、方法論的には未だ手探り状態というところでしょう。

帰りに、久しぶりで渋谷でかるく呑みました。私としては、定年後の荷を降ろした安堵が改めて感じられて、美味しい酒でした―「親は無くても子は育つ」。

 

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最初にしゃれた皿でお通しが出ました。右から、つぶ貝、鯵のマリネ、山葵葉のお浸し、あぶりがっこのチーズ和え、するめの漬け。皿は特注でしょうか。