軍記物語講座完結

軍記物語講座第2巻『無常の鐘声』が出ました。刊行順では本巻が最後ですが、シリーズ本来の構成は以下の通りです。

1『武者の世が始まる』 将門記陸奥話記・後三年記・保元物語平治物語・承久記

2『無常の鐘声』 平家物語

3『平和の世は来るか』 太平記

4『乱世を語りつぐ』 曽我物語義経記・室町軍記・戦国軍記概説・家伝・幸若舞

 ・御伽草子

詳細は花鳥社の公式サイト新刊案内 https://kachosha.com を御覧下さい。

本シリーズは、最新の軍記物語研究を満載するに留まらず、各執筆者に①20年先の軍記物語研究をイメージして ②仲間内の研究者だけでなく、他分野の研究者にも、また文学愛好家にも分かりやすく書いて下さい というお願いをしました。結果的に、各研究者の個性と研究分野の現状とを反映して、多彩な4冊になりました。論文57本と軍記物語年表、それに太平記の諸本ごとに記事の有無が一目で判る対照表、源平盛衰記の国内地名索引など、研究を助けるツールが収められています。各巻付録の「しおり」搭載のコラム11本も含めて、和歌や歴史、絵画や芸能などの視点も織り込みました。

概説書や事典、手引書とは異なる意図で企画しましたので、これを読めば直ちに研究テーマや方法が見つかるわけではないと思いますが、国文学にはこういう方法や問題意識があるのか、という発見があるでしょう。表紙や装幀も、楽しんで頂けると思います。手に取って読むのに重すぎないよう、執筆者には枚数制限を厳守して頂きました。版元からもアマゾンでもお取り寄せできます。