処方箋

およそ半年ぶりにかかりつけの医院に行きました。医師が抗コレステロール剤をどうしても飲ませたがるので、量を減らして服用しているうちに、猛暑で昼間出歩けない3ヶ月。区の健診やインフルエンザワクチン接種のこともあって重い腰を上げたのです。いつも空いている待合室が、今日は混んでるな、と思ったのですが、車椅子の高齢者に2人ずつ付き添いがついて、2組来ていただけでした。

血液検査の結果を見て薬を出して貰うという話をして採血し、20分くらいで済んだので、播磨坂のスーパーへ出かけました。水木の街路樹が静かに紅葉し始めています。店内では何もかも値上がりし、同じ値段の物は内容量が明らかに減っている。もはやそれに慣れないと暮らせません。最少限度の買い物をし、でも季節の物が何か欲しくて、紫の食用菊を1パック買いました。黄菊とカニカマの甘酢和えを作りたかったのですが、紫の花しかなかったのです。

日が短くなっただけでなく黒雲が広がってきて、バスを降りたらぽつぽつ大粒の雨が落ち始めました。我が家までは坂を1つ降りて1つ登らなければなりません。重い買い物は紙袋詰め、必死の形相で家まで辿り着きました。やれやれと医院で貰った領収書を見たら、何とすでに抗コレステロール剤の処方箋が出してある。医療費は2割負担になったことだし、血液検査の結果を見てからにしたかったのに。どうせ検査すれば高脂血症の数値が出るさ、ということなのでしょうか。無理な数値に老いの身を押し込めて死にたくない。あの医師に最期を看取って貰っていいのか、とまで考えてしまいました。

夕食には紫キャベツに紫の菊の花弁を散らして、石榴のドレッシングを掛けました。3輪ほど、小皿に入れて洗面台に。エノキさんが、わあオシャレ!と言ってくれるかしら。