信濃便り・山法師篇

長野の友人から、訪問先で見つけた、と写メールが来ました。

ヤマボウシの実

春にはハナミズキに似た白い花が咲きます、とあったので、調べるとハナミズキと同じ仲間なのですね。花弁に見える苞の先端が尖っているのがヤマボウシだそうで、緑の芯(それが花)と白く目立つ苞が大人の雰囲気。最近、庭木や公園に植えられることが多くなりました。庭木にも流行り廃りがあって、私の子供の頃は、八つ手や青木、沈丁花がよく植えられていましたが、その後、蘇芳、沙羅、トネリコ、そして最近はヤマボウシがシンボルツリーとして1本、植え込みに入れられることが多いようです。

もう少し熟れたら

我が家の近辺でも近年、新築ビルの植え込みや児童公園の入り口にこの木が植えられました。私はガクアジサイの仲間だと思い込んでいたので、秋に実が生った時、ちょっと意外でした。果皮がぶくぶくしていて、鬼灯か茘枝のように見えますが、ネット上に公園の植栽からジャムを作る連載をしている人がいて、ヤマボウシもその中に上がっていたので、恐る恐る試食したことがあります。もっと真っ赤になってから、落果寸前がいいそうです。ねっとりした果肉で、なるほど甘い。ジャムのレシピは、皮を剥き、砂糖とレモン少々を入れて煮るだけ。皮もよく熟せば甘く、シャリシャリと食べられるそうです。果実酒や、皮を剥いて干してドライフルーツもいい、とのこと。ちなみにハナミズキの実は赤くて美味しそうですが、人間は食べられません。小鳥向き。

そう言えば今年の初夏、児童公園の1本は沢山の花をつけ、遠目には白い布を被せたようでした。生り年と生らず年とがあるのかもしれません。公園で遊ぶ子供たちは、この実が食べられることを知らないようです。尤もネット上には、公園の木は殺虫剤を浴びている可能性があるので素人は手を出さない方がよい、と注意書きがありました。