豊後便り・幸先詣篇

別府からの新年挨拶は、鼈フルコースの話でした。

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宇佐八幡宮

大分県では新年の混雑を避けるために「幸先詣で」なることを奨励しており、年末のうちに初詣を済ませるようにと広報していました。

暮に宇佐神宮に行って来ました。破魔矢を買うつもりででかけ、巫女さんに尋ねたら、明日からだと言われました。1日早過ぎたようです。】

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鼈鍋

宇佐市安心院町はスッポン料理で有名なところです。私はスッポンは1度も食べたことがありませんでした。安心院町にスッポン料理発祥の店という料理旅館(松本清張がひいきにして、東京から取り寄せていたという店)があるので、参詣のついでに食べに行ってみました。

「ふーん、こういう物か」という感想でしかありませんが、確かに精が付きそうな気はしました。清張と違って、私はもう1回食べたいとは思いません。フルコースだったので、生き血の飲み物から始まり、エンペラ、唐揚げ、鍋から雑炊といろいろな調理を食しましたが、骨の周りまでコラーゲンがたっぷり、という生物だと知りました。】

生き血を飲むとは勇気があるなあ。私が初めて鼈を口にしたのは、グルメで有名な檀一雄家から頂いたスープの缶詰でした。上手に調理してあったのだと思いますが、生臭い気がして生姜をたっぷり放り込んで恐る恐る食しました。後年、鍋も味わいましたが、鼈は鋭い歯と細長い首の不釣り合いが哀れで、好んで食べようとは思いません。

我が家は大晦日に、春日通りの桜木天神へお参りしただけです。いつもは2日に天神と本郷薬師とにお参りして(学問と健康さえ順調なら、いい1年だから)、コンビニで酔い醒ましのアイスクリームを買ってくるのですが、今年は醒ますほど呑めませんでした。