コロナの街・part 31

昨日がんばって掃除がほぼ済んだので、今日は正月用食器を洗って、花を活けるだけです。例年なら蕎麦屋で年越し蕎麦を食べて来るのですが、外食はやはり恐い。立ち呑み屋の前で、パック詰めの蕎麦と天麩羅を売っていたので、天麩羅だけ買いました。

花屋で猫柳と松と水仙、それに卓上の洋花を買って帰ろうとしたら、お世話になったけど、3月末で店を閉めます、と言う。仰天。まあ夫婦とも年をとってきたのが目に見えるし、コロナで商売もきついのかな、と思いましたが、ビルの中の小さな店では外から目につくように花を置けないので、今後は自宅で得意客に通信販売をするという。

ここへ越してきてから花屋はすでに3軒潰れました。そのほかに開店してすぐやめた花屋も2軒ほどあり、本郷通りの老舗は代替わりして、法人用の花で商売するようになり、個人客のあしらいが露骨に無作法になりました。花屋と本屋のいい店がある街に住みたい(できればパン屋と果物屋も)というのが念願でしたが、叶わなくなったようです。悄然として帰り、暗くなってから、肉屋へ寄るのを忘れていたことに気づきました。雑煮用の鶏肉を予約、昼頃取りに来ると言ってあったのです。慌てて駆け込んだら、未だ店は混雑中。女将から、体調でも悪くしたかと心配したよ、と言われました。物忘れも今年まではぎりぎりセーフ、というところでしょうか。

蕎麦を茹で、屠蘇酒を仕込み、鶉卵の八角煮を作っている内に、N響の第9が終わりました。小石川にいた時は護国寺の除夜の鐘、横浜にいた時は遠い汽笛で年が変わりましたが、ここでは何も聞こえません。除夜の鐘はTV越しです。

酒肴も酒もお菓子も各地の名産を頂き、新刊書がつぎつぎ5冊送られてきて、我が家は豊饒な正月を迎えられそうです。